全額保証という考え方【思考ノート】

日本酒熟成酒・お燗文化普及人・九星気学鑑定士・カンパイSAKELOVERSの運営の石坂晏敬(やすのり)です。
今日は「全額保証という考え方」についてです。

今回も星野リゾートの教科書から「美味しくなかったら全額返金」という内容があったのでそれについて考えてみたいと思います。

全額保証とは?

全額返金のシステムとは、購入した商品に対して、満足行かなかった場合に全額返金するというものです。これは基本的に購入者にその判断が委ねられている。

よくあるのは情報商材の販売で「満足行かなければ、全額返金します」と伝えているものが多かったと記憶しています。情報商材の場合は、情報だけ受け取って、満足しなかったといえば、返金されるので、不満請求した方は結構いたのではないでしょうか?

情報商材の場合は色々と条件がついていたと思います。具体的にどの点がダメであったか?などを細かく明確にさせるとか?期間が短く設定されているとか?などがあったと記憶しています。

この全額返金の販売側のメリットは、顧客の購入の後押しをすることになります。納得できなかったら、返金要求すればいいんだと軽い気持ちで購入できるという点ですよね。

販売側のデメリットは、満足しているにも関わらず、返金を要求されることが想定されることと言えるでしょう。

このメリットとデメリットを天秤にかけてメリットの方が大きいなら、全額返金を打ち出す決断をするということになります。

業種によってリスキが変わってくるのではないか?

僕がよく見た全額返金を打ち出している業種は情報商材です。情報商材は一度作ってしまえば、その先特に費用もかかるものではないので、リスクは発生しづらいですよね。

行政書士などの免許申請なども免許取れなければ、費用発生しませんなどもある意味全額返金と言えると思いますが、これも工数のリスクはありますがそれ以外はないです。

それに比べ、今回星野リゾートの教科書で出てきた内容は、「アルツ磐梯」というスキーリゾート地のゲレンデに面したセルフ型レストラン。このレストランのカレーライスに「おいしさ保証」をつけた話です。食事の味に全額返金をつけたのです。

星野社長が導入することに決めた一番の要因は、「スキーリゾートのレストランはおいしく当たり前」という、ここでしか食べられないんだから、適当なもの出していてもみんな食べるでしょという提供側の怠慢を生み出している。

ここに全額返金のシステムを導入する価値が高いと見た。味を良くして、お客さんの満足度を上げることはもちろん。社員の料理への意識、サービスへの意識を高めることを期待できる糊代が多いと見られたんですね。

食事のおいしさ保証の不安と実際

実際に導入するとスタッフに伝えたとき、社員から当然ながら反発を受けた。「美味しさの保証なんていくら美味しくしたところで、美味しくないと言われたら、返金しなければ行けないということだから、誰でも美味しくてもお金返してもらおうという発想になってしまうから辞めるべきだ」
というような反発ですね。まあ、わかりますよね。このリスクは絶対につきまといます。

ただ、星野社長は導入を決定する。まずはじめに行ったことは、徹底した味の改善である。自分たちが満足して提供できると言えるものを作ることからスタート。

満足できる味が出来上がり、「おいしさ保証」を導入する。はじめは不安でスタートして、3日目に返金希望を受けた。スタッフは負のループが始まるぞと思ったそうです。

しかし、実際は「米がとてもベタベタして美味しくなかった」と具体的な意見であった。よく調べてみるとたしかに炊飯器が老朽化していて、米がうまく炊けていなかったということに気づいたので、すぐさま新しい炊飯器を導入した。

このように返金希望には料理やサービスの見直しの機会というふうに捉えられるようになり、スタッフの工夫が始まったそうです。

品質の向上とスタッフの意識改革につながる

今回のアルツ磐梯のレストランの件から、全額返金を導入するメリットは品質・サービスの向上とスタッフの意識改革につながるということが証明されたものだと理解した。

自分が導入するとしたらどんな場面になるか?
キッチンカーで考えた場合は、

日本酒の熱燗に限定して、美味しい温度で提供できなかった場合は全額返金すると伝えて、勝負してみるのは面白いかもと思いました。

実際に熱燗をつけるときの自分の意識は格段にあがりますし、お客さんへ対しても思いも変わることは間違いないと思うんです。

ただ、アルコールが入る人たちへの保証なのでもめた時は面倒くさそうですが、、、