日本酒熟成酒についての僕の考え【思考ノート】
日本酒熟成酒普及人・九星気学鑑定士・カンパイSAKELOVERSの運営の石坂晏敬(やすのり)です。
今日のテーマは「日本酒熟成酒について考える」。
この内容はポッドキャストで音声配信しています。
さて、今日は日本酒の熟成酒について考えを深めていきたい。今日は完全に自分のための記録に残すために書いている。
昨日、親しくさせてもらっているイタリアンレストランを経営されている方と日本酒についての立ち話を20分程度させていただきました。内容的に3点ありましたので順にお伝えします。
- なんで日本酒が広がらないのか?その理由の一つ
- ワインも昔は今の日本酒と同じであった
- 日本酒熟成酒をうまく広げている人がいない
1.なんで日本酒が広がらないのか?その理由の一つ
なんで日本酒が広がらないか?の一つに「日本酒マウントおじさん」がいることが理由の一つであるという話。先日、ツイッター上でも話題になっていた。このマウントおじさんとはどんな人を指しているのか?
飲み屋で日本酒を飲んでいる女の子がいたら、その女性に対して、自分の過去の日本酒のうんちくを偉そうに並べるオヤジのこと。
僕は出会ったことがないから正確にはわからないけど、日本酒って面倒くさい。と思わせているみたい。
自分が知り得た知識をついつい偉そうに語りたくなってしまう気持ちはわからなくはないので、自分も気をつけねばなと感じました。
2.ワインも昔は今の日本酒と同じであった
日本におけるワインも一昔前はマウントを取るおじさんがたくさんいたそうです。ボルドーやブルゴーニュの1級ワインなどのうんちくを振りかざして、偉そうにしている人が実に多かったそうです。
現在はナチュラルワインなども多く入ってきて、切り口が増えている。なので語れる切り口も増えたためにマウントとっていたおじさんが取れなくなってしまったそうです。
3. 日本酒熟成酒をうまく広げている人がいない
ワインには貴腐ワインで100年熟成のブランドがある。その値段が300mlくらいで、なんと100万円するそうです。
その100万円の貴腐ワインの2017年のものを3年前のものを300mlくらいを3万円ほどで展開している。これは100年の熟成酒にしっかりと価値が乗っかっているので、3年モノでも高価格な展開が出来るということは想像できる。
このワインを楽しめるお店があるらしく、そのお店はワインとそれに合う食事を食べさせてくれるそうです。
どういうことかと言うと五感を研ぎ澄ますために手を使わずに口を開けたとこに食事とそのワインをいれてくれるそうです。
これがとてつもなく、美味しいらしい。
これは僕も絶対に経験しなければならないものだど感じたので、機を見て行こうと思っています。
ワインの切り口でお話をいただいたんですが、やはり単純にまだまだ日本酒にポテンシャルを感じざるを得ない。
日本酒をカジュアルに飲みやすくという活動をされている方は多い。これはどんどん普及すればいいなと心から思う。
マウントを取りたがる人が多い日本酒業界とSNSを見てもたまに感じるけど、普及して一般的なものになれば、マウントとっている人は取れなくなるので、それで良いのだと思う。
熟成酒の楽しさとは何か?
僕は日本酒の中でも、熟成酒に本当に楽しみがあると思っている。その点を挙げてみたい。
美味しい
ホントに美味しい。
味わいが増す・香りが増す
時間が経つごとに味わいが変化して旨味が増す
保存が簡単(熟成に耐えられるお酒は)
日本酒の最近の傾向はきれいで繊細なお酒を造る。そのために保管方法が厳しい。マイナス5度の温度環境で保管しないと日本酒の良さが保てないなどと言っている。
造り手はきれいで繊細なお酒を丁寧に造りましたと言えていいけど、扱う側の酒屋や飲食店は管理に他のお酒以上に気を使わなければならなくなる。手間がかかるお酒ということだ。
それに比べて熟成酒として美味しい日本酒は、芯が太く力強いので、常温のままで置いていても、味がどんどん進化していく。保管も先程のきれいな日本酒と比べても簡単である。
時間経過を楽しめる
作りたてから、時間が経つごとに味が変化していく。
希少性(時間が経てば必然的に限りが出てくる)
造ってから時間が経つごとに消費をしていけば、希少性が増していく。これは誰が考えても理解できると思う。味だけの勝負ではなく、ここで希少性という切り口を乗せられるので、商品自体にストーリーが造りやすくなる。
食事に合わせやすい
日本酒の料理に合いやすいという特性は熟成酒になっても健在なので、他の熟成酒とも戦える。
本格的にやっている酒蔵が少ない
明治時代の酒税法にてお酒を保管すると税金が発生するためにその年に造ったお酒はその年に全て売り切るという流れができあがってしまい、その流れが残っている。だから、熟成酒を扱う酒蔵はとても少ない。
時間に重み、思いを乗せられる
時間経過という点に重みや思いを乗せることが出来るので、日本酒プラス思いという組み合わせで贈り物などには容易に発展させられるイメージはもてる。
ワインやウィスキーでは熟成という概念は進んでいて価値もしっかりと築かれている。
日本酒熟成酒は全く新しい概念ではない。江戸時代は5-10年寝かすのは当たり前であったといくつかの文献にも書かれていた。
普及していない理由
このようにこれだけの価値があるのにやらない理由はなんなのか?なぜ普及していないのか?
この理由を考えてみた。
保管に年月を要する。コスト増と利益回収が遅くなる。
日本酒を造ってから数年保管した上でようやく販売できるので、保管コストと、利益回収が遅くなる。日本酒を造るためにお米などを購入した代金を回収するのがだいぶ後になるということだ。経営的に厳しい。お金の回転が悪い。
研究開発に年月がかかりすぎる
理論的に考えて試作品を造って、その後その造り方の検証するのに3年5年と待たないと結果が確認できない。この点はとても大きいのではないか?
達磨酒造さんが毎年生産したものをストックして、熟成酒専門として活動されているので、開発データは集まっているのかもしれない。
また、熟成を早めさせる研究などはされていないのか?この点も調査が必要だ。
熟成酒の真の価値を伝えている人が少ない
日本酒は新しいモノが一番美味しいという概念を作り上げてきている。だから店頭で醸造年ごとに価格の差がない。新しいほうが価値があるという見方さえもある。
熟成酒を普及させる会などもあり、何度かイベントに参加したのですが、熟成酒と一緒に乾き物が置いてあるだけなど、価値を感じさせるイベントになっていないのが現状である。
日本酒熟成酒は余力がある
これらの話から、僕は日本酒・熟成酒に価値があると感じる。熟成酒を普及する立ち位置にも価値があるし、熟成酒を造る立ち位置にも価値を感じる。
熟成酒の価値を創造できれば、酒蔵としても単価が上げられて、攻め方も増えるはず。
先ほどの100万円の貴腐ワインのように高級食材と合わせて、食材と熟成酒の味を引き出し合う提案をしていく。
知る人ぞ知る熟成酒の世界観を創り上げていく。多くの人が知らなくていい。
例えば、熟成酒を嗜む会などを運営して、富裕層で世界観を創っていく。熟成酒の価値を上げていく。
世に売っている熟成酒を買い占めて、じっくりと価値とともに育て上げていく。
それらの背景を造り、資金的な流れも作った上で真の日本酒熟成酒造りを研究する。
まだまとまりきっては居ないが、熟成酒の世界観をわかる人たちで作り上げていくことからスタートして熟成酒の価値を浸透させる。
僕は価値を高めることに楽しみを感じる。世の中には価値が高いものを楽しみたいという人は多く存在する。ココに向けて価値を高めていく活動となる。
熟成酒の世界観を創り上げていき、日本酒・熟成酒の価値を定着させる。
きれいで繊細に造るお酒ではなく、粗く太く、強いお酒を造る。
そうすることで海外への価値が広がりやすく、(繊細すぎると扱いづらい)
そこに価値を見いだせれば、日本酒の違った未来が見えてくるのではないか。。
今日も最後までご覧いただきありがとうございました。