ブランディングのとっかかり【思考ノート】

日本酒熟成酒普及人・九星気学鑑定士・カンパイSAKELOVERSの運営の石坂晏敬(やすのり)です。

さて、今日は「ブランディングのとっかかり」についてです。

現在、サポートしている酒蔵のブランドのコンセプト作りに参画しています。ブランディングを考えていく上で大切にしなければならないことについて考えてみたいと思います。

この内容はポッドキャストで音声配信しています。

第一人者が一番強い

以前もお話したのですが、ブランディングで圧倒的に有利に立つことで一番重要なのは、第一人者になることです。

誰よりも先に考えて、誰よりも先に始めて、誰よりも先にアピールして、多くの人に認知してもらう。スマートフォンといえば、iPhone。絆創膏といえば、バンドエイド。サイクロン掃除機といえば、ダイソン。防水透湿性素材といえば、ゴアテックス。宅配便といえば、クロネコヤマトの宅急便。などなど。第一人者がブランドとして認知され、二番目以降のブランドは認知されにくいという法則です。

これは新しいモノを作ったり、市場を作ったりとゼロイチをした企業が手に入れられる特権です。

かりにすでに市場が存在する場合はその市場の中を細分化して、その細分化した市場で第一人者を目指すという方法です。ダイソンなどは掃除機の市場の中で、参入は遅かったが、サイクロン型を開発して、掃除機市場の中でサイクロンの市場を作り出して、第一人者となった。

日本酒業界で戦うには

日本酒業界はすでに数百年の歴史があり、市場は新規参入も認めていない、自由が効かない凝り固まった状態。売り場も決まっていて、狭い世界で戦っている厳しい世界だと感じます。

今、入り込んでいない酒屋などに入っていくには、相当な体力と魅力が必要となる。日本酒がしのぎを削っている場所に入っていくためには、その日本酒たちと肩を並べるだけではスタートラインに立てない。品質等は同等かそれ以上という前提で、その上で飛び抜けた特徴を出さないと、取扱いは難しいだろう。

どこを尖らせるか

日本酒業界でどこを尖らせるかを考えなければならない。ただ美味しいだけでは、取り扱われない。きれいに作ったところで個性にはならない。

個性となるポイントを見つけて、そこを尖らすことで、購入したいと思う人が現れるか?取扱いたいと思うお店が出てくるか?などから考えていかねばならないと思うんです。

そのためにヒントとなるネタを沢山引き出すことからスタート。例えば、過去に受賞した賞や、過去にめちゃくちゃ売れた商品とか、飲んでくれたお客さんのコメントなどなど。
これらを細かく拾っていって、他にはない魅力を探していく。

この他にはない魅力を見つけていくことがとても重要だけど、とてもむずかしい。しかし、ここは時間かけてでも見つけていくことが大切だと思います。

これが見つからないと他社もうたっている土俵で、それよりも良い、美味しいなどいう戦い方をしなければならない。これはすでに市場に入ってしまっているブランドのほうが圧倒的に有利なので、そこで勝つためにはかなりの体力が必要になってくる。

この尖らせられる魅力を見つけられれば、そこをブランドの主として打ち出していくことが出来る。他にはない魅力としてうたっていけるので、その魅力が響くお客さんを見つけられれば、競わずに購入してもらえるという流れを生み出すことが出来ます。

この尖らせるという点がとても重要となってきます。

戦うフィールドをずらす

次に考えていきたいのが、戦うフィールドをずらす。普通に戦おうとするならば、主の酒屋さんを一つ一つ、攻めていくことになります。そこが王道だと思いますが、そこを攻めるには先程の尖った魅力がないとかなりしんどい勝負になると思います。100件回って、1件採用してもらえればいい位のイメージ。

そこで戦うフィールドを変えることを考えてみる。たとえば、ワイン市場にワインに近い日本酒として入っていく。このメリットを考えていくと、ワイン市場なので、当然ワインしかいないので、日本酒なのでとがることが出来る。そして、ワインに近い日本酒というポジションが取れれば、選ぶ側もお客さんへ勧める新しい切り口となるので選びやすくなる。

そんなにうまくいく話ではないが、考え方としては戦うフィールドを少しずらすことで、自分の存在感を高めることは可能である。

かりにワイン市場でそれなりの実績を残すことが出来たら、日本酒市場でも取り扱われる可能性は高い。ワイン市場で話題になっている日本酒として取扱いたい酒屋や飲食店が出てくるだろう。

あとは海外で売れる実績を作って、逆輸入する。これも考え方としてはあり得るだろう。
あとから参入する立場の場合は、入り方をかなり工夫しないと戦うことは難しい。新しいものが生み出せることが一番いいんだろうが、そんな簡単なことではないので、やはり、このようなマーケティングの工夫が重要になってくるだろう。

まとめ

ということで、今携わっているプロジェクトのプランディングの考え方についてまとめてみました。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。