ぼくは蒸留家になることにした 江口宏志著 から学んだこと

日本酒熟成酒普及人・九星気学鑑定士・カンパイSAKELOVERSの運営の石坂晏敬(やすのり)です。

今日は「ぼくは蒸留家になることにした 感想」についてです。

友人の池野花さんのボッドキャスト「CafuneBooksの読書ノート」にて紹介されていた江口宏志さん著の「ぼくは蒸留家になることにした」が気になって気になって仕方なく、早速手に入れてざっと飲んだのだが、読み行ってしまった。

共感することと、今の僕に学ぶ点が多い内容でした。

この内容はポッドキャストで音声配信しています。

宏志さんは古書店の経営やブックセレクトなどの本の世界から蒸留家へ

江口さんは現在千葉県にて果実やハープに囲まれた、元薬草園の地で蒸留酒を作っている。

元々は東京で本屋を経営したり、ブックセレクトなどを営んでいたが、だんだんと閉塞感が生まれてきたそうです。

代官山でユトレヒトという本屋でライフスタイルショップとして位置づけられて、そこでは出版活動も行っていたそうです。

欲しいのは、技術。 共感ポイント。

”つまり、ぼく自身が最初から最後まで手や身体を動かして、事をなし得てきたわけではない。もちろん企画やプロデュースも技術の一つと捉えることができるだろう。自己を主張したいわけではないけれども、次から次へと続けていく中、その時どきで懸命に考えいたことがあまりにもたやすく消費され、自分というものが消えてなくなってしまいそうな感覚にとらわれるのだ。
だからこそ、自分で何かをゼロからつくりあげてみたいと思ったし、そうしたことができる「技術」をしっかりもちたいと思った。”

ここの部分は僕がとても共感した点。何かを伝えることや、誰かが作ったものを販売するなどは、今の時代は技術を持てば、それで稼ぐことが出来て、多くの人が行っている。
僕も、自分のブログを育てて、アドセンスやアフィリエイトなどで稼いで生計を立てようと試みたことがあるが、これはこれで大変ですよね。とはいえそもそもやる気がわかない。

何でかなぁとずっと考えていたんですが、最近ようやく気づいたんですよね。1次産業で無いからだ。自分が造ったものを取り扱っていないから。人が造ったものを取り扱っているから。
そこの違和感に気づいたってことなんですよね。

だから、1次産業に携わりたい。酒蔵を持ちたい。お酒を造りたいと急速に思うようになってきた。

また、江口さんは
”ぼくがこれまでやってきた本の世界での仕事をこの先30年続けられるかというと少し微妙だ。なぜならば、自分が感じる良し悪しだけで勝負するのは難しく、その時のトレンドや売れ筋といったものとにらめっこをしながら、バランスを取らなければならない。
たとえば登山家が選んだ山の本は、ぼくが選んだものよりもずっと説得力がある。そのセレクトが、登山家ならではの経験や実績に裏打ちされているからだ。”

幅広い視点ではなく、ピンポイントの技術や経験を持ちたいという思い。とても良くわかる。僕も、一つの技術をとことん掘り下げて行き、蓄積していくことで自分だけのものになるモノがいい。江口さんはそれで蒸留家を選んだってことですよね。

僕はココで日本酒の熟成酒を選んだということになります。

ドイツの蒸溜所で修行

江口さんはピンときたドイツの蒸溜所のイベントに参加して、そこでさらにインスピレーションを感じて、オーナーであるクリストフさんにお願いして、3ヶ月間修行した。
あっという間の3ヶ月で、その後もさらに技術を習得したいから修行させてほしいとクリストフさんに伝えたが、「もう日本に帰って、自分の蒸溜所を始めたほうがいい。蒸留酒は自分で造るという経験値の積み重ねだから」というクリストフさんの意見に従い、日本で蒸溜所を始めることを検討し始めたそうです。

江口さんは帰国後に最初に始めたことはクリストフさんが造っている蒸留酒の販売から始めた。その理由としては、日本でそもそも始めようとしているフルーツブランデーの存在が全く知られていない。だから、普及する必要がある。そして、蒸溜所を開くための場所を探すために全国でイベントを開催したそうです。

これはとても参考になる話でした。
僕は、日本酒熟成酒で世界を獲る。そのためにすべきことは、熟成酒の普及と引き継げる酒蔵を探すこと。酒蔵を始める手段は今調べた限りは2つ。現在動いている酒蔵を引き継ぐ。もしくは休業している酒蔵から酒造の部分を引き継ぐ。

熟成酒の普及活動で可能性を広げていきながら、酒蔵を所有したいという思いを伝えていき、縁を待つ。きっかけがあれば、酒蔵へアプローチする。

クリストフさんは江口さんに対して、蒸溜所を始めるにはビジネスパートナーを見つけることが極めて重要だというアドバイス。儲かる商売ではないので、しっかりとした組み立てが必要。
この点には関しては、今現在、運営を手伝っている酒蔵のオーナーさんはもちろん、この江口さんや、クラフトビールを始めた方などとつながる必要があると感じた。もちろん、江口さんともコンタクトを取ってみたい。

ポスト老後

”ある時気がついたのは、これってもしかして、老後プロジェクトなんじゃないかということだ。老後を健やかに、楽しく暮らすために、いまちょっと無理をしてでも頑張って、面白いことを見つける。たとえば、ぼくのお金。40代なかばだから借りられるものであって、これが65歳だとか70歳だったら銀行はこんな大金貸してくれないだろう。”

僕は一時期、お金の収入の流れを築いて、悠々自適に暮らせればいい。と思っていた。しかし、そんな人生飽きてしまうことが目に見えている。僕も江口さんに同感で、今のうちに全力で打ち込めるものを手に入れたいということ。これを見つけられたら幸せだろう。退屈な人生なんて嫌だ。

立ち上げまで道のりは大変そう

蒸溜所立ち上げまでの道のりが詳細に書かれており、大変な要素がたくさん出てくる。昔の自分だったら、これは面倒くさそうだから、やーめた。となったんだと思うけど。

今は面倒だから、やる人が少なく、やることが出来たら、それだけで少数の一員に慣れるというメリットがあると捉えている。

江口さんのストーリーを参考にしよう。とにかく味方を見つけることからだな。行動して、思いを伝えていこう。

まとめ

今の僕のために書かれた本と思えるくらいの本だったので、とても参考になった。インスピレーションで自分の身を委ねていく点などは最高でした。自分がやっていることにも自信を持つことが出来た。

何か自分のプロダクトを造りたいと考えている人にはぜひ読んでもらいたい本です。

今日も、熟成酒プロジェクトのための打ち合わせがある。どんな話になるか?とても楽しみだ。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。