日本酒の熟成酒の未来に感じている不安【思考の整理】

カンパイSAKELOVERSの運営・お燗酒文化普及人・九星気学鑑定士の石坂晏敬(やすのり)です。

今日は日本酒の熟成酒の未来について、今の自分の気持ちをまとめておきたいと思います。

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日本酒の熟成酒とは?

日本酒の熟成酒とは、醸造した後に、数年かけて寝かせて、味わい旨みを引き出したもの。

どんな日本酒でも熟成に耐えられるわけではなく、発酵をしっかりとさせたお酒でないと熟成しても旨みが出てこないと言われています。

熟成方法は酒蔵で造ったお酒をタンクや樽の中で、そのまま熟成させたり、瓶に詰めてから倉庫や冷蔵庫で保存されて熟成されたりします。 生酒の状態や火入れをものなど酒蔵さんによって異なります。

酒屋で瓶の状態で貯蔵して熟成させているところもあります。ステキ過ぎます。

日本酒の熟成酒の現状

熟成酒は限られた酒蔵と酒屋でしか取り扱われていないのが現状です。

熟成酒を取り扱っている酒屋さんに行くと、熟成酒がずらっと並んでいます。その中に普通に5年前のものや、10年前のものなどが並んでいます。

価格はというと大抵は一升瓶で三千円代。びっくりする位安い。

僕が熟成酒に初めて出会ったのは、2年前に千葉県の岩の井の20年古酒を会長さんに飲ませてもらった時。

キレイな琥珀色になっていて紹興酒のようなきれいな香りして飲んだら、口の中で経験したことがない、ふくよかな味わいがしたことを今でも覚えています。

めちゃくちゃ美味しかったです。

「いくらなんですか?」と会長さんに聞いたら、

確か、7,000円〜1万円と言われ、

「えっ、そんなに安いんですか?20年も寝かせて?」
「これ、当然数に限りがあるんですよね?」
「もっと価格設定を高くして、本当に飲みたい、価値のわかる人だけに売る形がいいんじゃ無いですかね?」

と話したことを覚えています。

とにかく、価格設定がめちゃくちゃ安い。

数日前に僕が買ってきたお酒、十旭日のBY2009の熟成酒も一升瓶で5,000円です。

びっくりします。

ワインは20年もしっかり熟成されていたら、数万円は当たり前で、数十万円、100万円越えるものだってあります。

そんな中の日本酒の熟成酒の価格です。安いと思いませんか?

日本酒の熟成酒のこれからの流れ

熟成酒は常温でも美味しいですが、お燗にしたら、美味しさが際立ちます。

ただ、お燗の文化はまだまだ浸透していません。なので、熟成酒もそもそも盛り上がっていない。今はフルーティな香りがする、冷酒で飲むと美味しいお酒が主流である。

僕がチカラを入れているお燗酒文化を普及させる活動が功を奏して、お燗酒文化が広がったら、熟成酒も同時に広がるのだろう。

どこかのタイミングで、日本酒の熟成酒がやばいぞということになり、特に外国で火がついたら、一気に広まり、価格が急騰して、日本人が熟成酒を飲みづらくなるという環境になりかねない。そんな一抹の不安を覚えるわけです。

とはいえ、まだまだ広まるスピードは遅いのですぐになるとは思っていませんが、そのうちそのような現実が訪れる気がしてなりません。

日本酒の熟成酒について今できること

このような未来を想定すると、気軽に熟成酒が飲めなくなることになります。

熟成酒の価値観を広げて、酒蔵さんが熟成酒を作りたいという考えになり、それなりの値段を乗せて、適正価格に向かうような流れが作れたら、一つはいいのかなと考えています。

もう一つは、熟成用のための貯蔵庫を持つ。各酒蔵さんの優れた熟成酒たちを年代別に集めて、大事にストックさせていく。自分のため、飲食店さんのため。

まとめ

具体的にやり方を考えていき段階にきたなと思い、実際に動き出してみることにする。

今日はお燗酒文化普及人の活動の中で考えていたことをまとめてみました。このような日本酒関連のこともまとめていきたいと思う。