どこで戦うかを決める

日本酒熟成酒・お燗文化普及人・九星気学鑑定士・カンパイSAKELOVERSの運営の石坂晏敬(やすのり)です。
今日は「どこで戦うかを考える」についてです。

新しいジャンルで戦う際は、闇雲にやるのではなく、そのジャンルの中のどこで、何を使って戦うかを決めていくことが重要ですよねという話です。

戦い始め

僕は今、日本酒業界で戦おうとしていて、酒屋というキーワードからスタートラインを探して動いています。角打ちのある酒屋という立ち位置で入ろうと色々と考えていたのですが、考えれば考えれるほど、競合となる酒屋や飲食店との優位性が弱い。レッドオーシャンにはじめから入っていくようなもんだなと思えるようになりました。

酒屋でいうと、都内の一等地で運営している酒屋は、地主であることが大半である。家賃を気にせずに商売ができるという立ち位置が存在している。
お金・収益だけを考えたら、酒屋をやめて、賃貸で貸し出したほうがはるかに安定的な利益を得ることが出来る。表参道の一等地でやられている酒屋さんなどはまさにそうだろう。あの立地なら100万円以上のテナント料を取ることが出来る。その分の利益を出そうとしたら、販売量はとてつもない。

ただ、このような地主酒屋さんは、酒屋運営を手放さずに継続されているという状況です。
この地主酒屋さんと同じ戦い方をしたらベースで並ぶために圧倒的努力と工数を割いて、その上で同じラインで戦うことが出来る。圧倒的不利な状況である。

角打ちでお酒と少しの食事を提供する場合は、その地域の飲食店さんとの戦いに片足を入れるとも言える。
飲食店さんと料理で戦うということは基本的に勝てる気がしないし、そもそも料理のフィールドで勝とうとも思っていない。

そこで一つの考えに至ったのは、来る意味を作るということでした。様々なイベントを開催することで、飲食店にはない来る意味でお客さんを集めるという戦い方を考えてみました。
ただ、以前も伝えましたが、イベント業で戦うとの言うのは、そもそもやりたかったことからかけ離れていたために、やることはやめた。

改めて、どこで戦うのかを考えなければならないと思ったわけです。

戦う場所をどう決めるか?

キングコングの西野さんが25歳の時に、テレビから軸足を抜くことを決めて、絵本に軸足をおいていくと決めた際に、他の絵本作家さんとどう戦っていくかを時間かけて考え抜いたそうです。西野さんの結論としては二点。

・圧倒的に時間をかける。
・0.1mm?の極細の黒いボールペンのみで描く。

という戦う場所を定めた。

「圧倒的に時間をかける」とはなにか?

他の絵本作家さんは、それが専業であり、絵本を描いてそれを販売して、利益を得て、新たな絵本を描いていく。まあ、当たり前なのですが、絵本作家が本業である以上そうなる。

それに対して、西野さんはテレビから軸足を抜くとはいえ、仕事が完全になくなるわけではない。その点から、描いて絵本で実利を得る必要はない。ここが他と違う大きなポイントと見極めて、圧倒的な時間をかけることが出来る点を一つの軸にした。

具体的にどういうことかというと、一つ一つの絵に時間をかけるのはもちろん。ストーリーも濃いものにして、読ませるものとする。その結果、絵本では見ない位の厚みのある絵本となっている。

「0.1mm?の極細ボールペンのみで描く」とはなにか?

絵本作家さんは当然、ずっと絵を描き続けてきている人。この人達の技術に漠然と戦って追いつこうとしても時間がかかる。では、他の人が行っていない、極細黒ボールペンに限る事により、このフィールドでのライバルが少なくなる。その中で圧倒的な時間を使っていくことで、技術的も上がりやすくなり、そのフィールドでの立ち位置が研ぎ澄まされていく。

この西野さんの事例をもとに自分なりに考えてみる。

どこで戦うか?

この2ヶ月はがっつり現存する市場に入り込んでいこうと意気込んでしまっていたが、改めて、自分が戦いやすいフィールドを言語化すべきであると考えてみた。

他の酒屋や飲食店と異なる自分の立ち位置はどこにあるのか?

・会社や店舗どこにも束縛されていない自由な立ち位置
・不動産経営などからの他の収入が存在するために、この事業だけでガッツリ収益を得なければならないわけではない。
・蔵人としての実経験値

などであろうか?

これらから、戦う場所を考えると

・時間を有効に使える「身軽」な立ち位置

・飲食。酒屋小売業など一つに絞らずに横断的に人がやりづらい事にフォーカスして動いていく。

もっと具体的に言語化すると

・キッチンカーを戦う場として、時間や場所を自由にして、時間と場所で特長を出す。