読むべきは自伝本【思考ノート】
日本酒熟成酒普及人・九星気学鑑定士・カンパイSAKELOVERSの運営の石坂晏敬(やすのり)です。
今日は「読むべきは自伝本」についてです。
ポッドキャストでも聞けます。
最近、メガネチェーンOWNDAYSの田中修治さんの「破天荒フェニックス」を読んで、会社買収してから復活するまでのリアルなやり取りやその時の心情が書かれていて、その場面に自分がいたらとか、自分だったらと思いながら、読み入りました。
ビジネス本は、いわゆる経験談からうまく行った話や、技などを伝えるものが多いと思う。
それに対して、会社立ち上げから形になるまでの自伝については、うまくいったことよりも、苦難や失敗などトラブルがメインとなる。それらを乗り越えて今に至るというものが多いんです。
成功体験からまとめた内容よりも自伝のほうが良いと思える点は3点あります。
1. 良い点も悪い点も書いてあり、リアリティを感じる
多くのビジネス本は、自分がこのような考え方で、このように行動したことで、出した実績がこうだ。だから、このような心構えやこのやり方を行うことで、あなたも成功できます。というスタンスで、書かれているものが多い。
わかりやすくまとまっていて行動に移しやすいものも多いと思う。
しかし、再現性が高いのかは微妙です。誰にでも合うのか?という点と、その成功体験はいつの話なのか?この本になった時の何ヶ月前の話なのか?
昨日今日のはなしだったら、役立ちそうだけど、数ヶ月前だともう使えないということも最近は増えてきているように思います。
それに対して、自伝は役立つ良い点や技も多少はあるが、それよりもその時に起こった、発生したトラブルなどが心情なども合わせて書かれていて、その時の切羽詰まったシーンなどに引き込まれていく。人からの裏切りなどは本当に堪える。
会社経営の疑似体験をさせてくれているというふうに捉えることができる。
そこが1つ目の良さだと感じる。
2. たくさんのトラブルが記されていて、経営においてトラブルなんて起こって当たり前と思える
繰り返しになるが、自伝はトラブルシーンが鮮明に書かれている。
例えば、破天荒フェニックスの中では、買収先の全面的に協力体制だった代表社長から、180度の裏切りにあったり、
また、買収前の会社が抱えていた債務超過を理由に、業績が完全に黒字に動いているのに組むに値しない会社だというスタンスで接してくる銀行員など、とてもリアリティのある話が描かれている。
買収先の代表の裏切りの話に関しては、自分が受けたら完全なる人間不信に陥るだろうなと思った。また、銀行のスタンスなども文面で想像する態度よりもさらにひどいむごい態度だったんだろうなと想像できたりした。
これらのことから経営とはこんなに大変で乗り越える壁が大きいのかと感じさせてもらえる。
そして、トラブルなんてあって当たり前と思わせてもらえる。この点はとても大きい気づきであると感じるのではないか。
3. 決断の大切さ。その際の心構えを知ることができる。経営者にいちばん大切な力は決断力
破天荒フェニックスではとにかく、トラブルに次ぐトラブルで、もう諦めて心折れそうなシーンも数回あった。
ただ、その都度、自分がやってきたことを振り返り、協力してくれた人を思い出し、できることがないかなど思い巡らせて、できることを行って、そして最終的に手を差し伸べてくれる真の理解者に出会うという気づきを得た。
そのために行っているのは経営者としての最終決断である。毎日これを繰り返している。決断とは一番難しいが決断しないと進めない。
正しいか正しくなかったかは先にならないとわからない。決断せずに流れのままに過ごしてきたら、運でうまくいったりうまく行かなかったりはあるかもしれないけど、成長はないなと感じることが出来ました。
常
に最善の決断をする努力をする。これが経営者の一番の役目なんだという理解をすることが出来ました。
田中さんの場合だと、雑貨チェーン買収のために自分の資産をつぎ込んだり、シンガポールや台湾への出店の決断なども財務責任者からは絶対にダメだと言われたが、最後は今動かねば、他社にやられる、今という時間を購入したりと都度大きな決断を行っている。
決断の繰り返しで、今がある。そう捉えられるようになったことが大きいです。
まとめ
自伝本は今も、DeNAの南場さんの不格好経営やNIKEフィル・ナイトのshoe Dogや、社長失格などを読み始めている。
今の所の共通項は、どの人も立ち上げ時は休みなし、寝る時間なしが当たり前。それならの激動期を必ず通っているということ。これは覚悟しなければならないと気づけた。
大変だと思わされたと同時に、会社経営という航海に出ることで数々の経験をすることができるんだなと楽しみも持つことが出来ました。
今後もなにか気づきがあったらお伝えしていきます。