あえて手間をかけることの価値【思考の整理】

カンパイSAKELOVERSの運営・お燗酒文化普及人・九星気学鑑定士の石坂晏敬(やすのり)です。

日本酒の魅力に気づき、お店に行きまくった結果、気づいたことがあります。

あえて手間をかけることに価値があるということです。

今回は「あえて手間をかけることの価値」についてまとめていきたいと思います。

ポッドキャストでの音声配信はこちら

日本酒のお燗づけって手間が圧倒的にかかるんです

なぜ、今回「あえて手間をかけることの価値」というタイトルにしたかというと、僕が今完全にハマっている、日本酒のお燗をつけて出してくれる居酒屋、に行って感じることがあったからです。

僕がお世話になっているお店は

  • ジョーズマン2号(三軒茶屋)

を筆頭に

  • 燗酒BarGats(渋谷 2020年4月に一時閉店)
  • カントニクス(西荻窪)
  • 日本酒や(吉祥寺)

などは美味しいご飯とそれに合うお燗酒を出していただけるお店です。超オススメです。

僕がこれらのお店の方から感じるのは

  • お酒が温かい→身体に優しい
  • 料理とお燗酒の相性が良すぎる。→合うお酒を一緒に提供してくれるペアリングスタイル
  • 手間をかけて温めて出してくれる→温もりを感じる

だから、僕はすっかりハマってしまっているですよね。

日本酒を売りにしている居酒屋さんって大抵が、貴重ななかなか買えないお酒を用意して、それをキンキンに冷やした状態で出すというお店がほとんどだと思います。

冷酒が美味しいことはとても嬉しいんですが、そこに「人」はあまり介さないんですよね。

合う冷酒を選んでくれるという点では「人」は介しますが。

それに比べて、お燗酒とはオーダー入ってから、温める酒器(チロリなど)に入れて、湯せんをして、香りと温度を確かめながら、お酒を温めていきます。

時間をかけて最適な温度に高めていくんです。 先程挙げたお店は、ただ温めるだけではなく、急激に冷やしたり、何かを加えたりと、日本酒を調理しています。

すなわち、とても手間がかかっているということです。

基本、お燗を付ける人が完全に1人張り付く形です。手間がかかると同時に、コストもかかっているわけです。

冷酒と比べるとかなりの工数がかかっていることがわかっていただけると思います。

店主さんとお話をすると、

「そこまでやる価値が日本酒にはあり、それにより自分の作った食事もより引き立てられて、お客さんの満足度が上がることを信じてやっている。だからこの工数は必要なことなんです」

というお言葉が返ってきます。

僕はどんどんお燗酒の文化に引き込まれていっています。これはただ単にお燗酒が美味しいというだけでなく、誰がどんな思いでつけているのか?という部分を感じるからです。

いつも美味しくお燗酒をいただいた時はほっこりとても幸せな気分となり、感動して気分良く帰っています。

長々と書いてしまいましたが、これらのことから「あえて手間をかけることの価値」はあるんではと思い始めました。

これからは「人」で選ぶ時代になる

インターネットが普及して、誰もが情報発信でき、簡単に情報が入るようになった今、

簡単に良いものをコピーできてしまう環境が整いすぎてしまったので、品質と価格での勝負では限界があるようになってしまいました。努力が報われない世界。

いいものを作って、行列ができる店にするというのが、ひと昔に比べて難易度が上がってしまっていると言えます。

いいものが増え、いいものをすぐ知ることが出来、すぐに食べに行ける。だから、一度食べたらそれで満足し、他のいいものも食べに行ってしまう。

品質と価格だけで戦っていてはなかなか大変。

美味しいご飯をいただいて、作ってくれた方と面識ができ、料理への思い、先程の話で行くとお燗づけの思いなどを、聞くことで、食べた人は

「これ美味しいけど、作り手さんはここまで考えて、手間をかけて作ってくれてるんだな」と知ることで感動して、また食べたいという思いに至ると思うんです。

「何」を食べたか?ではなく、「誰」が作ってくれたものを食べたか?で選ぶ時代に完全にシフトし始めていると感じているわけです。

お燗づけの手間は、作業の効率やコストを考えたら、省きたいもの。だから、多くの店は燗づけを扱わない。美味しい冷酒をそのまま出すと言う判断になると思います。

ただ、ここであえて手間をかけて、美味しいご飯とお酒を出すということは、そこに感謝が間違いなく生まれてくる。これからの時代、さらに生まれやすくなると言えるでしょう。

まとめ

あえて手間をかけるという行為は、この効率化を生きてきた人間としてはとても抵抗のあることと思いますが、効率化は温かみを削ぐものであるとも言えますよね。

これからの時代は温もりなど「人」を感じたい流れになるんだろうと僕は思っています。

手間をかけることで相手の満足度が上がる事が見つかったら、ぜひ手間をかけてみたらどうでしょうか?