蔵人生活3ヶ月が終了。「日本酒とは造るというよりも育てる」を知る。とてもいい経験であった。
先週の3月1日をもって初めての蔵人生活3ヶ月が終了した。
1週間溜まりに溜まった身体の疲労を抜きながら
ようやく蔵人生活を終えての気持ちをまとめることが出来た。
12月6日からスタートした蔵人生活が3月1日で終了した。
あっという間
酒蔵に月曜日朝一番に入り、金曜日まで酒蔵の一室で寝袋で寝るという生活。
寝袋はサハラ砂漠マラソンのためにあくまでも自主的に。
洗米〜浸漬〜蒸し〜冷まし〜製麹工程〜酛づくり(山廃、速醸)〜醪づくり〜上槽(搾り)+分析
全ての工程を経験させてもらった。
この経験値は自分にとっては絶大だ。
この期間の経験値だけで責任持って美味しい酒が造れるかについては
そんなに甘くない話だが、
付き合い方次第ではとてもおもしろい世界になるのだと知ることが出来た。
日本酒は造るというよりも育てる感じだ
日本酒づくりは
- 麹菌を米に繁殖させ麹米が作られる工程
- 麹がお米をしっかり溶かす(デンプン→糖)工程
- 酵母が糖を分解し発酵させる工程
全て微生物の働き次第となる。
そのためにお米の水分量や蒸し具合、
製麹用の室の温度管理、湿度管理
酵母が働くための環境づくり(酛づくり)の温度設定、櫂入れ具合
など温度と表情を見ながら慎重に進めていく。
この微生物くんたちが「ちょっと熱いよ」とか「なんか蒸れるよ」などと
自分たちの状況を言葉にしてくれたら
とてもわかり易いんだろうけどそういうわけにはいかない。
だから、杜氏さんを中心に温度と表情と今までの経験値を
照らし合わせてその都度進め方の判断を行う。
ここが日本酒づくりで一番の醍醐味なのだろう。
杜氏さんの経験値と微生物さんのご機嫌の戦い(笑)
そうして、杜氏さんと蔵人の真心で育った微生物さん達が
良いお米をしっかりと溶かし
美味しい香りや旨味を生み出しながら発酵していく。
まさに造るというよりも”育てる”というふうに感じる事が出来た。
この世界観はたまらなく魅力的に僕には映った。
各工程における重要なポイントが多々ある。
この点はまた別の機会にまとめていきたい。
日本酒の味わい方が大きく変わる
このお酒を造る工程に3ヶ月みっちり関わることで
日本酒を飲むときの気持ちに大きな変化が起きた。
まあ、当たり前ですがどの日本酒も手間ひまかけて作られてきたことは間違いなく
そこに蔵人さんの熱量が大量に含まれていることを知ることが出来た。
大げさではあるが、猪口に入れる瞬間、口に入れる瞬間、口に入れた後それぞれで造り手さんを思い巡らせて飲むことができるようになった。
基本どれも美味しく感じられるようになる。
このような経験が出来たことに感謝
2018年からヒョンと日本酒に興味を持ち始めた僕にこのような経験をさせてくれたまわりの方々にはただただ感謝しかありません。
【社長に感謝】
このような酒造りの働く環境を与えてくださった酒蔵の社長さんにはただただ感謝しかありません。
ありがとうございました。
【杜氏さん・蔵人さんに感謝】
酒造りを何も知らない僕を受け入れてくれて丁寧に教えてくださった杜氏さんと蔵人さんにただただ感謝しかありません。本当に細かい点まで見せていただき、学ぶことしかありませんでした。もっと先を読んで仕事をこなさればと思っています。
【友人に感謝】
酒蔵の社長さんを紹介してくれた友人に感謝。
僕が「酒造りしてみたいなぁ」と日本酒飲んでいる時につぶやいた言葉に
しっかりと反応してくれて社長さんに僕の存在を伝えてくれた事にただただ感謝しかありません。
ありがとう。
【家族に感謝】
そして、酒蔵生活の間は家を留守にしていました。
そのため、奥さんには相当な負荷を与えてしまった。
朝夕の息子の送り迎え、家事全てと。
理解してくれて協力してくれたことにただただ感謝しかありません。
いつもありがとうございます。
息子も父が居ないことを我慢してくれて母をしっかりと支えてくれた。本当にありがとう。
とても貴重な3ヶ月を過ごすことが出来ました。
この3ヶ月の経験をしっかりと活かせるよう、恩返しできるようこれから活動していきます。