メモの魔力 前田裕二 著 【書評】
前田さんのメモ魔のことはNewsPicksの前田さんのトークイベントなどでは知っていた。
この技術を純粋に手に入れたいと思っていたんだけど、
ものにしたいと思いつつもなかなか言われていることが理解しきれない部分が多かったんです。
今回、前田さんのメモに特化した本が出るということでとても楽しみにしていたっ。
速攻で読んでしまったんですが、ずばり僕が知りたいことが詳細に書かれていて、とてもわかりやすく、実践したい内容が多く大満足の内容でした。
ぜひ、一冊購入することをおすすめしたい本ですね。それでは早速紹介しまーす。
メモの目的
そもそもの部分ですね。
今回の冒頭部分にメモの目的が記載されていたが、改めて強く納得させられた。
”「より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため。」
本質とは何かというと、コピーではなく創造、代替可能物ではなく代替不可能物、ということ。つまり、クリエイティブで新たな知的生産につながる思考や、自分にしか思いつかないような代替不可能性の高い思考。これら価値ある本質的思考に1秒でも多く時間を割くために、メモをしているのです。”
独自のクリエイティブな発想をいかに生み出していくかにどれだけの時間を割けるか。
なんとなくの意識はあったものの、やはり、メモとはその時の記録的な位置づけがほとんどを占めていて、そのメモから創造していくという意識はかなり希薄であったなと痛感。
プラスアルファを生み出していくためのツールとしてまずは徹底的に意識することからスタートですね。
日常全てをアイデアに変える。「ファクト」→「抽象化」→「転用」
前田さんのノートを以前スライドで見せてもらったことがある。
そのノート写真がこの本にも掲載されている。
前田さんが提唱しているメモの方法は
「ファクト」→「抽象化」→「転用」
これを徹底的に行うことである。それぞれの役割を簡単に記すと
「ファクト」:その時見たもの、聞いたこと、話し合われたことなど事実を記す
「抽象化」:その「ファクト」からの気づきを応用可能なものに”抽象化”する
「転用」:その「抽象化」したものを自分のアクションに”転用”する
といった感じだ。
こう書けばなんとなくは理解できるものの、実際にやろうとすると難しいのが正直なところだろう。
僕も早速はじめてみた。
まずは日常なんとなく気になったことをメモする。
- 東京駅の104周年イベント。サンタ104人スタンプラリーは大人から小人まで多くの人が東京駅構内を駆け回り、サンタスタンプを求めていた。すごい引きつけ方だなぁ。
- 銀杏並木は他の木に比べてその下を歩きたい、見に行きたいという気になるのか?
これらの事実を抽象化してみる。
- ・なぜ、こんな多くの人が時間を使ってスタンプを集めようとするのか?
→
・スタンプを集めるのが好き
・サンタを見つけるという行為が楽しい
・カップルや親子で一緒に探せる楽しさ
・スタンプをサンタにおしてもらえる喜び
・スタンプでビンゴそろうと福引がひける
・104人サンタの不規則な動きでゲーム性がある。
これら抽象化したものを自分のアクションに転用してみる
- 例えば、山手線一周ランニングに応用できないか?(僕が山手線一周ランニングを主催しているから)
→
・山手線29駅や主要名所にキャラクタースタッフを用意してスタンプを全て集めたらゴール。
・3−4人のチーム制にしてみんなで探す。
・集めたスタンプによってプレゼントとか福引とか
このようにただ、山手線一周約40kmを走るだけでなく、ゲーム性を取り入れたら参加者が増えるのでは?
この転用が正しいかは置いておいて、こんなイメージではないかと捉えてみた。
抽象化とは?
”抽象化とは「本質を考える」こと。
気づきを何かに活かす、すなわち、きっちり「着地させる」ことを前提に、世の中のあらゆる具体を抽象化する。そのためにも、気づきを着地させるための具体的な課題を多く持っていると、有利です。
「なぜかわかんないけど、このお店すごく居心地良かったな」という感想で大体終わるわけですが、その本質的要素をいくつか書き出して、抽象化しておく。すると、例えば今度は、居心地の良い別のコミュニティを自分がいくる際にうまく応用できるのです。”
抽象化と聞いてもどうすればいいのか?わからなかったです。
本の中にわかりやすいいい例があったので載せてみた。
- とにかく、自分なりに何か感じたものについては書き留めておく。
- それに対して、なぜ?どんな?などの疑問をかけて抽象化しておく。
- その抽象化が自分の課題や誰かの課題に転用できるならすかさず行う。
それが自然にできるようになったら楽しそうだな。習慣化していこう。
抽象化に慣れてきたら知人の課題などを聞いてアイデア出しを練習するのも楽しそうだな。
メモと自己分析と抽象化で自己を知る。1,000問質問
事故を知ることの重要性も説いている。
”ただ「やらねばならないこと」が次第になくなっていくこの世界において、「自分が何者か」「何をやりたいのか」を見つけること重要です。やりたいことがわかっていればあとは「やるだけ」なので、重要なことに自分の命を集中させることができます。”
まさにAIが発達して今までの単純作業はやらなくて済む。
頼まれてやることが少なくなる。
すなわち、自分でやりたいことを見つけていかないとやることなくなっちゃうよという時代に入り始めている。
そして、これだけネット環境が発達して、誰でも情報発信ができる。
好きなことを見つけた人はいつでも世界に打って出られる環境になっている。
だから自己を知ることは極めて重要なこと。
前田さんは就職活動の際にどうしたら自分を見てもらえるようになるか?を考えた結果、
とことん自分を掘り下げたやつだ。
と認識し、自分に対する問いを徹底的にノートに書き出していったそうだ。
例えば、好きな色は何?と聞かれたら「3色あって、○色と○色と○色があります。なぜ、○色なのかは〜〜で」と掘り下げて話を出来る。といった感じ。
まずは自分の特徴をできるだけ客観的に捉えて見る。
それはなぜなのか?を掘り下げる。
この作業で自己を掴んでいく。
この自分を知るための質問1,000問がこの本には特典で付いている。すごいね。
自分を知るためのライフチャート
1,000質問を一つ一つこなしていくことにプラスして
ライフチャートで自分の人生を水平軸で捉えることを推奨されている。
自分の人生を横軸に感情の起伏を生まれた時を0として縦軸に書いていくというもの。
これで自分の人生を俯瞰的に見ることができ、チャートの変曲点に幸せの源泉(ヒント)が記されているという。
これは兎にも角にもやってみるのが良さそうだ。
でき次第、自分のライフチャートを掲載してみることにしよう。
まとめ
この本でようやく前田さんのメモのとり方のコツが理解できたなぁ。もっと実物を見てみたいものですね。
とにかく、これも慣れなので少しでも気になったことはFastEverに書き出していくことにした。
この本を読んでもっと自分の脳みそをフル活用してみたいと純粋に思えた。
やはり、何かを考えるという行為は楽しいですよね。
日々、考え続けていたらアイデア出るに決まってるよなぁ。
そんな印象を持つことが出来た素敵な一冊です。
抽象化に慣れてきたら、人の課題を聞ける環境を作っていくのも楽しそうだな。