発酵道 寺田啓佐著 微生物の生き様が人間の生き方の参考になる。【書評】

発酵道 寺田啓佐著 〜微生物の生き様が人間の生き方の参考になる。【書評】

友人のFBの紹介で即買いした本。

この著者である寺田さんは代々受け継がれている酒蔵を受け継いだ方。

経営を任され、原価を抑え添加物を使い、生鮮工程も効率化を徹底。安く作り、利益が出るお酒を販売する方向性を推し進めてきた。

ある日、日々の不摂生により、腸を腐らし、手術すると状態に陥り気づく。

『発酵すると腐らない。』

このことに日本酒を作る工程で気づく。

この本は日本酒の作る工程から、微生物の働き。微生物の働きからの健康についての考察。

そして、微生物の生き方と人間の生き方の対比による人間の愚かさというか正せる部分をとてもわかり易く面白く伝えてくれている一冊である。

では早速紹介しよう。

発酵すると腐らない。発酵=変化。 変化しないと腐るよ。 

”「発酵すると腐らない。」
日本酒はまさにこの「発酵」の力に酔って造られている。酒蔵のタンクで起こっている「発酵」は、コウジカビという微生物が米のデンプンを糖に変え、「酵母」という微生物がこの糖をアルコールにしているわけだ。
糖を酵母菌が食べ、発酵してアルコールを生み出していく。この発酵法は糖化と発酵を同時に行うことから「並行複発酵」といわれ、世界的にも珍しい技法なのだがこの2つのバランスを管理することが大事だ。
これを見ていると発酵というのは変化の連続だなあと思う。変わるから腐らない。逆に言うと変わらなければ腐るということだ。”

 

僕はこの『発酵というのは変化の連続。変わるから腐らない。変わらなければ腐る。』というフレーズがとてもしっくり来ているしかも、それを微生物が証明していてくれたという点がとても嬉しい。

変わらないと腐る。恐れずに役割を持ってどんどん変化していこう

自分の役割(好きなこと、没頭出来ること)に気づき、楽しく働く。

”とても感心するのは、微生物たちの役割を心得た見事な働きぶりだ。一匹一匹が自分の出番になったら大いに働き、使命をまっとうして、役目を終えたらスーッと消えていく。そうやって次に来る微生物にバトンタッチしていく。実に鮮やかだ。
みな居心地の良い場所を確保して、自分の出番が来るのを待っている。そして、ひとたび出番となると、思いっきり自分の持ち味を生かして生命をそこで燃焼しきる。
それは決して嫌々やっているのではなく、微生物にとってそうすることが快くて自分の好きなことをしている。そして、楽しく働いている。私にはそう感じられる。”

生まれ持った天命、使命を楽しくまっとうし、次へつないでいく。人間も本来、生まれながらにして役割を担って、それに気づき、それを楽しみながら人生をまっとうしていくという流れが自然なはずだが、

「支配層」と「被支配層」という大きな枠組みが出来、経済というものが生まれ、教育という名の洗脳が始まり、経済に人間が縛られ、本来自分がまっとうしたい天命なり、使命に気づきにくい世の中になってしまっている。

人間にとっても、本来は自然に身を任せ、日々を楽しむことに全力を傾けていれば、自ずと世の中にも貢献できるという仕組み、単純な世界なはず。

これも微生物が証明してくれているんだな。ふむふむ。と読みいってしまった。

いかに自分の感性に素直に向き合い、心から湧き上がってくるワクワクをくみ取り、実行できるか?と置き換えることが出来るなと感じ取ることが出来た。

与えっぱなしの精神。

”微生物の一匹一匹は、ひとたび出番が来ると命がけで働いて、自分の使命、役割を果たすだけで見返りなど全く期待しない。まさに「与えっぱなし」だ。人間たちのように、金も地位も名誉もなにも求めたりしない。私利私欲などどこにもないのだ。
私は彼らの世界をのぞけばのぞくほど感心させられる。謙虚な姿勢でありながら自分らしく楽しく、仲良く生きているように見える。”

完全に微生物の世界だが、これが自分でも貫き通せたらどうなるのか?考えてみた。

微生物は自分の役割をしっかり果たすことに集中してまっとうすることで自分の一生をやり遂げる。変なやつの邪魔など入らずにやりきれる。

では、人間も貫き通せたら、自分のやりたいことに没頭し、周りの人や世の中に役立ち身を捧げていく。そうしたら変なやつなどは近寄ってこないのではないか。良い反応をする、意味のある人たちが自然と集まってくるのではないか?

と、この「与えっぱなし」のフレーズを読んで思ってしまった。迷いなど必要ない。気づきだけだ

御酒ひびきに基づいて生きる。

▼御酒ひびき

 

うれしき」「楽しき」「ありがたきの三要素を持ちながら生きる。

この章はこれらのことがとても簡潔にまとめられていて、人生の道に迷った時にふと読み返せば、すぐに道に戻れる内容になっていると思う。

この三要素を意識しながら、常に笑顔で笑って生きる。これが発酵している状態と理解した。

 

おわりに

この本は日本酒の作り方が細かく描かれていたり、いかに殺菌がバカな行為であるかということや身体にとって有効なことも様々な角度から書かれている。

また、著者の寺田さんのお酒造りへのこだわりについてももちろん事細かに書かれており、無農薬のしっかりとチカラを持ったお米を極力削らずに発酵させて作った玄米酒のことなども書かれている。まさに「百薬の長」を作りあげる工程が描かれている。

僕は寺田本家の百薬の長「発芽玄米酒 むすひ」を発注したのは言うまでもない。
(到着したら、レビュー書きます。)